ノルウェーの学校システム

ノルウェーの大学院生、クリスティーナです。
今回は世界一教育にお金をかけているノルウェーにおける学校システムについてご紹介したいと思います。
基本の構造は日本の学校システムとよく似ていますが、細かい部分に違いがあるので解説させていただきます。

こども園 1~5歳
日本では幼稚園や保育園にあたりますが、ノルウェーでは分かれていません。ノルウェー語でBarnehage(Barn=子供、hage=園)というので「子供園」と書かせていただきます。
実はノルウェーの子供園は無料ではありません。地域や園が公立・私立かにもよりますが、最大価格が月額3315NOK(2022年1月のレートで43000円ほど)です。子供がたくさんいたり、収入が低い場合には国からサポートが入ります。

小・中学校 6~15歳
日本と同じように義務教育です。小学校が7年生までで日本より1年長いです。また、ほとんどの小・中学校が公立で無料です。

高等学校 15~18歳(年齢は様々です)
小・中学校や相当の教育機関を終えた人は3年間の高等教育を受ける権利があり、ほとんどの高校は無料です。

大学
学士は日本より1年間短く3年間です。修士課程は2年間です。エンジニア等を養成するプログラムだと学士+修士で5年間のプログラムになっている学科も多くあります。学費は国籍に関わらず無料です。
博士課程は大学から雇用され、給与が発生して税金も納めるので、ノルウェーでは「学生」のカテゴリーから外れます。基本期間は3年間ですが、「デューティー・ワーク」という授業を持つなどの仕事をすれば4年間に有給で延長できます。
(詳しくは別の記事でご紹介します!)

このように、お金を全くかけずに大学院までの教育を受けることができ、コンセプトは「貧富の差に関わらず誰もが平等に教育を受ける機会があるべき」という部分であることをよく感じると思います。

番外編:フォルケホイスコーレ(Folkehøgskole)
日本でも近年話題になっているので聞いたことのある方もいらっしゃるかと思います。直訳すると「国民高等学校」で、「みんなのための学校」というコンセプトです。元々はデンマーク発の学校で、今はスカンジナビア全体でさまざまなフォルケホイスコーレがあります。
1年間寮に住み込みで、何かを学びたいという学ぶ意志のある人なら試験なしで誰でも入学することがあります。(年齢の下限は通常18歳頃です。)授業の理解度を評価するテストもありません。
教育自体は無料ですが、寮費・食費・材料費・旅費などで年間合計100~200万円相当ほどかかります。細かい費用は専攻(linje)によって異なります。

ではどのような専攻(linje)があるのか?
アウトドア・スポーツ・芸術・手芸・音楽・演劇・メディア・旅・文化・技術・・・
など、600種類ほどのプログラムが存在するそうです。

私自身は実際にフォルケホイスコーレで学んだことはないのですが、周りに行った人は本当にたくさんいます。(ちなみにその人たちはそれぞれ犬ぞり、民族ダンス、民族音楽、音響学、サッカー、調理などを学んだそうです。)
ノルウェー人がフォルケホイスコーレに行くタイミングとしては高校卒業直後が多いですが、大学を休学して途中で行ったり、自分の人生に合ったタイミングで行くことができます。

最後まで読んでいただきありがとうございます!

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